永遠の生を生きる悟り

皆さんの世界が、皆さんを掌握しています。皆さんは喜び、悲しみ、寂しがり、楽しみながら、皆さん自身を判断し、変形させ、後悔もしながら、皆さんの生をそれなりに楽しみながら生きています。そんな「自分」の世界は「他人」の世界とは違うと言いながら、各自独自の個性ある世界を主張しています。

あなたはそれを個性と言います。そうしてあなたは、あなたの世界が変わりつつあると考えています。三歳のときの自分、二十三歳のときの自分、四十三歳のときの自分・・・・・・あなたは無数にあります。恒河水の砂のように。あなたはその中で須弥山のような悩みを抱えています。

白紙の紙に何本か線を引いてみなさい。ちょっと長く見積もって一生の間線を引き続けてみましょう。十歳のときの線、二十歳のときの線、毎年一本ずつ引いてみましょう。一番おしまいに、最後の線を引いてみてごらんなさい。白紙はたった一枚だったのです。皆さん各自が持っている苦痛も、それを分かってくれない相手がそれなりに持っている苦痛も、苦痛は同じです。三歳の苦痛も、十二歳の苦痛も、たった一枚の紙にすぎません。

たった一枚の白紙、あなたはたった一枚の紙なのです。瞬時にそれを燃やしてしまいなさい。それは一つの塵にすぎません。一息にそれを吹き飛ばしてしまったとき、あなたは本当の意味での個性、いや、もっと正確に言うとあなたの全体性を現し、花咲かせるのです。

悟りは永遠に生きる道です。永遠に生きることは、たった一度の死です。それは永遠な死であり、完全な死であります。何回も死ぬのではなく、一度に死ななければなりません。何度も苦しむのではなく、一度の苦痛で燃やしてしまわなければなりません。

皆さんが本当に何物も残さず死んだとき、そのただ一度の死は皆さんをして永遠の生を生きさせてくれることでしょう。


「悟りの瞬間」素空慈著 塩田今日子訳 地湧社

posted by GOLDEN KID at 11:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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